未来はキミドリイロ

サイコメトリックアイドルを目指す心理学徒の勉強部屋です。勉強・趣味などについて書いています。

ギター用コンプレッサー7機種の試奏インプレッション

ここ最近,スタジオに遊びに行くときのための,小さなギター用ペダルボードを組みたいと思ってデジマートを眺める日々が続いております。
そんな中で,今回の記事では楽器屋さんを巡っていくつかのコンプを試奏させてもらい,購入を決めた話を書こうと思います。
有り体に言えば,試奏インプレッションの記事,ということになります。

結論(買ったもの)

はじめに結論から言いますと,(運よく中古があったので)Demeter AmplificationのOpto Compulatorというコンプを買いました。
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これを基準に,その他のコンプに関する印象を覚書としてまとめておくのが本記事の目的です。
私が購入を決めたDemeterのものは素晴らしいですが,それをひたすらにプッシュしたいというのではなく,それ以外のペダルの良い部分や,どういうものと比べてどこが比較のポイントになったのかを書き残しておくことで,コンプ選びの役に立つかもしれないという思いがあります。

うろ覚えのものや,あまり印象に残らなかったものもありますが,どなたかの参考になれば嬉しいです。

試奏した機種一覧と観点

試奏したエフェクターについて,覚えている限りのものを書き出してみようと思います。

メーカー 機種名 新品価格帯
Demeter Amplification Opto Compulator \31000前後
Providence Velvet Comp \20000前後
Free The Tone Silky Comp \35000前後
JAM Pedals Dyna-ssoR \21000前後
Bogner Harlow \30000前後
Xotic SP Compressor \19000前後
MAD PROFESSOR NEW Forest Green Compressor \26000前後

これら7機種を試奏しました。
店舗をまたがっているので試奏環境は微妙に異なりますが,アンプはJC-120,ギターは3Sのストラトをお借りして,主にフロントPUを使ってコンプの音色を確認しています。

比較の観点ですが,いかにきれいなクリーントーン*1を(できれば簡単に)作れるか,をポイントとしました。
コンプに詳しいとは言えませんが,太さよりもナチュラルさを重視して,あとは耳で決めた感じとなっています。

ひとことレビュー

Demeter Amplification - Opto Compulator

実際に購入しているということもあり,これが最も好みでした。
というか,最初に試奏したペダルがこれでしたしそのときに衝撃を受けて8割はこれに心が決まっていた気がします。
薄めにかけた感じがとても自然で,コンプ臭さを感じません。
それでいて,やや強めにかけたときのアタック感などはしっかりとコンプとしての存在感を出してくれています。
表面にあるコントロールがレベルとコンプレッションの強さだけで非常にシンプルなのも好感が持てます。
一応,筐体左側面にトリムポットがあり,ゲイン幅が調節できるようになっています*2

唯一気になったのが,電源ノイズです。
試奏させていただいたときにMAXONの電源タップ(らしきもの)では電源由来のノイズがしっかりと乗っかってしまっていました。
これは電池やBOSSの電源タップ,Noah's Arkのパワーサプライでは解消されており,要はRegulatedな電源を使わないとダメみたいです。

あと,現行品は普通のDCケーブルで問題ありませんが,私が持っているものは中古で購入したので電源供給にオスのミニジャックが必要な個体です。

Providence - Velvet Comp

Free the Tone - Silky Comp


同系統の2機種ですね,FTTのものは上位機種だけあって値段が大きく違いますが。
Demeterのものと比べて,良くも悪くもエフェクター感というかコンプかけてます感というかが感じられるコンプでした。
オンにするとほんのりマスキングしている感はありますが,それでもナチュラルなかかり方をしており,この2台ではSilky Compの方がよりクリアに感じられました。

実は印象がそれほど強く残っていないペダルでして,たぶんそこらへんがこの2台のクセのなさというか,バランスの良さなんだと思います。
堅実かつ,アタックタイムなんかもいじれるので追い込みたい人なんかは嬉しいかもしれませんね。

JAM Pedals - Dyna-ssoR

個性的なルックスがたまらない,ギリシャエフェクターメーカー発コンプです。
余談ですが,ジャムペダルって読むんですかね,ヤムペダルって読むんですかね,よくわからないです。

このペダル(というかメーカー),なかなか洒落たネーミングセンスのものでして,お気づきかもしれませんが「Dyna-ssoR(ダイナソー)」の前半部分である「Dyna」はMXRの名機,ダイコンことDyna compからきているんですよね。
じゃあ後半の「ssoR」はなんなんだ,何故Rだけ大文字なんだといいますと,これは逆から読んであげたらRossになり,これまた名機のROSS Compressorからきているわけです。
ダイコン系,ROSS系ということで,バコンバコンとしっかりコンプのかかる一台でした。
名前の親である2台のエフェクターよろしくコントロールがLVL(レベル)とSUS(サステイン)しかないのがわかりやすいですね。
今回はナチュラル系を探していたということもあってターゲットにはなりませんでしたが,この手のコンプを求めている方には試す価値のある一台だと思います。

Bogner - Harlow

ほぼ心はDemeterのものに向かっていた中で,一番の対抗馬だったのがこのペダルでした。
このHarlow,7機種の中でも異彩を放つ,「Boost with Bloom」を冠したペダルとなっており,コンプレッサーでもありブースターでもあるという変わり種なのです。
まず,ミーハーなようではありますがルックスが最高で,LED部分は入力信号の大きさで色が変わるというオシャレなエフェクターです。
コンプのかかり方はBloomで調節するのですが,パラメータの名前にもあるように,右に回していくにつれて華やかになっていくような,弾いていて楽しい仕様となっています。
この文章を書いていてすごく欲しくなってきました,どうしましょう……。
このペダルのいいところは,コンプ感以外にもブースターとしての特徴なのか,TONEのツマミがあるので積極的に音作りができる点です。
BloomとToneを活用すると,Demeterのものに肉薄するクリーンが作れました。
とはいえ,クリーン専用で使いにはレベル調節がシビアというかほんのり歪みかねないので今回は見送ったというかたちでした。
ああ,次の給料日が待ち遠しいです。

Xotic - SP Compressor

このペダルの良い点は大きく2つあって,ひとつ目は小さく邪魔にならないこと,もうひとつはBLENDノブがあることだと感じます。
内臓DIPスイッチで細かく音作りできるようですが,試奏では試せませんし,正直いちいち蓋を開けてあれこれいじって,というのは嫌いなのであまり算段の中には入れませんでした。
コンプレッションの強さはHI-LO-MIDの3段階をトグルスイッチで選ぶようですが,HIなんかは結構ノイズを増幅してしまうので使いどころを考えないといけないかもしれません。

MAD PROFESSOR - New Forest Green Compressor

PCB基盤の方の(=安いほうの)モデルです。
ナチュラル系~しっかり系まで幅広く使える一台で,SUSTモード,COMPモードを切り替えられる点,Harlowと同じくTONEがあり,積極的に音作りに絡められる点が素敵です。
このペダルも結構よかったのですが,Demeterのものと比べると,ONにしたときに音が太くなるので今回は選びませんでした。
マッチョになるというのは正直好き嫌いのレベルだと思うので,太さが欲しかったのなら私もこれを選んでいたと思います。
店員さん曰く,Handwiredの方を18V駆動させるともっとヤバいとのことでしたが,あちらは値段もヤバかったのでビビって試せませんでした。

まとめ

独断偏見好み全開の簡易インプレッションでしたが,いかがでしょうか。
この記事を読まれた方が気になっていたペダルや,比較したかった組み合わせがあれば嬉しいです。
個人的に今回試奏したエフェクターたちをひとことでまとめると,次のようになると思います。

  • Demeter Amplification - Opto Compulator: ナチュラルキレイ系No.1
  • Providence - Velvet Comp: コスパNo.1
  • Free the Tone - Silky Comp: コンプエフェクター感No.1
  • JAM pedals - Dyna-ssoR: バコバココンプNo.1
  • Bogner - Harlow: 華やか楽器No.1
  • Xotic - SP Compressor: 省スペースNo.1
  • MAD PROFESSOR - New Forest Green Compressor: 細マッチョNo.1

え?逆にわかりにくいですって?
まあ,こんなものは適当でいいんだと思いますよ,ええ。
エフェクターとしてのコンプを買うんならSilky Compが一番いいかもしれませんね,高いですけれどあれはよいものです。
Harlowは音楽的で実にいいです,クリーンに限らず,ソロで踏んだときの音抜けが抜群によいタイプだろうという印象でした。
Opto Compulatorは本当にいいので,もし中古で見かけたら安いうちに買っちゃうのが良いと思います。

お金のあるうちにリバーブとコンプはいいものを買っておけ,なんて格言をどこかで見たような気もします。
ひとりでもコンプの沼でお会いできれば嬉しいです,それではごきげんよう。

*1:きれいなクリーントーンにもいろいろな定義があるとは思いますが,ここでは私の好みで,Eric Johnsonみたいなキラキラしたクリーントーンをイメージしています

*2:コンプレッションを強くかけるとレベルが下がってしまうのでレベルノブで調整するわけですが,回し切っても不十分だと感じる場合には内臓のポットで調整ができるということなのだと思います